「作業別のrpm一覧」がメーカー公式に見当たらない
甘皮は何rpm、ジェルオフは何rpm。そういう一覧表を探してこのページにたどり着いた方が多いと思います。先に書いておくと、作業別の回転数を数値で示した表は、当サイトが確認したURAWA・プチトル・SHINYGELのどの公式資料にも掲載されていませんでした。
理由ははっきりしています。同じrpmでも削れ方が同じにならないからです。ビットの径・目の粗さ・素材、当てる力、削る対象(ソフトジェル/ハードジェル/スカルプ/角質)が変われば、適した回転域も変わります。さらに、ビットやアタッチメント側に許容回転数の上限が設定されていることもあります。ここでは、公式が実際に出している数値と注意事項だけを使って、自分のマシンで使える回転域の決め方を組み立てます。
結論:上限を探すのではなく、下限・ビットの許容値・接触時間で決める
設定は次の順序で決まります。手持ちマシンの回転域(下限・上限・段階数)を公式表示で確認する。その工程で使うビットの許容回転数と軸径を確認する。そのうえで、削る量ではなく、同じ場所に当てる時間を管理する。
この順序で組み立てれば、rpmの数字を他人と揃える必要はなくなります。プチトルは公式サポートで「ビットの回転が速ければ速いほど、摩擦熱が発生して痛みを伴います」「同じ箇所をずっと削らず、一定方向に動かしながら使用してください」と案内しています。回転数を落とすことと、当てる時間を短く区切ることは、どちらも同じ目的に向かう操作です。片方を守れているなら、もう片方を過剰に絞る必要はありません。
手順1:自分のマシンの回転域を書き出す
スペックを比べる前に、使う頻度と用途から絞ると失敗しにくくなります
一般的な選び方の目安です。最終的な仕様・対応可否はメーカー公式仕様・取扱説明書でご確認ください。
上限より先に、下限がどこかを見る
上限は商品名や見出しに書かれていることが多い一方、下限は仕様欄まで下りないと分かりません。公式表示を並べると次のようになります。
| 機種 | 公式の回転域 | 刻み方 | 手が支える重量 |
|---|---|---|---|
| SHINYGEL PNM-D2 | 0〜35,000rpm | コントローラーで調節 | 非公表 |
| プチトルV | 3,000〜30,000rpm | 30段階 | 130g |
| URAWA G5 | 2,000〜28,000rpm | コントローラー上部のタッチスイッチ(別売フットペダルVC70対応) | 180g |
| プチトルS | 6,000〜22,000rpm | 無段階 | 128g |
| プチトルL | 6,000〜20,500rpm | 無段階 | 80g |
| URAWA G3 | 2,000〜20,000rpm | コントローラーで調節 | 160g |
| プチトルM | 4,500〜16,500rpm | 無段階 | 66g |
| プチトルC | 7,500〜14,500rpm | 無段階 | 45g |
| プチトルT | 最大13,500rpm(下限は非公表) | 無段階 | 50g |
| プチトルF | 8,000〜12,000rpm | 5段階(約1,000rpm刻み) | 150g |
この表から読めるのは、低速側に落とせる幅が機種でまったく違うことです。URAWAは2,000rpm、SHINYGEL PNM-D2は0rpmから調節できますが、プチトルCは7,500rpm、プチトルFは8,000rpmが下限です。「まずは低速から試す」という一般的な助言は、機種によって出発点そのものが違います。手持ちのマシンの下限を知らないまま「低速で」と言われても、実行のしようがありません。
段階か、無段階か
刻み方も自由度を左右します。プチトルC・M・L・S・Tは公式表示で無段階。Vは30段階、Fは「約1000RPMずつの5段階」です。5段階のマシンでは「もう少しだけ落とす」ことができません。削れ方が強いと感じたときに何を変えられるのか、最小の変化量を先に把握しておくと、設定で迷う時間が減ります。
手順2:ビット側の許容回転数と軸径を先に照合する
形だけでなく、用途・素材・軸径・交換条件を分けて確認します
ビットの用途・回転方向・洗浄可否・交換方法は製品ごとに異なります。メーカーの説明書を優先し、皮膚へ当てないでください。
本体の回転域が分かっても、そのまま全域を使えるとは限りません。装着するビット側に上限がある場合があります。
NF01プッシャーの回転速度は、URAWA G5の公式仕様に「MAX 10,000rpm」と記載があります。本体の上限は28,000rpmですが、このプッシャーを付けている間の上限は10,000rpmです。ビットに許容回転数の表示がある場合、その値が本体の上限に優先します。ビットを替えたら、そのつど上限も替わると考えてください。
軸径も装着前に照合します。プチトルは公式に「対応している軸径は2.34mmです」と明記し、特殊なビットを除けば他社製ビットも使用できるとしたうえで、他社製品については把握しかねると添えています。SHINYGEL PNM-D2の対応軸径も公式表示でφ2.34mmです。装着方式は、プチトルのL・M・C・Tが差し込み式、Sがチャック式(セットリングを回してロックする方式)と公式が区別しています。
手順3:工程ごとに変わるのは回転数だけではない
プチトルは付属ビットの用途を公式サポートで一覧にしています。回転数の指定はありませんが、「何を削るビットか」が決まれば、当てる場所と時間の管理の仕方も決まります。○はオフ主体のセルフに要る、△は用途を広げるなら、×は当面は使わない、という編集部の切り分けです。
| ビット(プチトル公式の名称) | 公式が示す用途 | オフ主体のセルフなら | 回転数以外に管理すること |
|---|---|---|---|
| マンドレール+サンディングバンド | ジェルのオフ、ジェル前の自爪のサンディング | ○ | 公式は「熱を感じる場合は、同じ場所を削り続けることは避けてください」と明記 |
| バレルカーバイド | ソフト・ハードジェルのオフ、スカルプ・アクリルの厚み調整 | ○ | 削りすぎは爪や皮膚への接触につながると公式が注意。削るのはジェル表面まで |
| ブラシビット | 爪の表面や裏側の手入れ、バリやダストのかき出し | ○ | 削る工程ではなく掃除用として公式が案内 |
| バッファーホワイト | 表面をなめらかにする | △ | 仕上げの工程を入れるなら。削り込むビットではない |
| セラミックピンクビット | ルーススキンや角質の除去、細かい甘皮 | △ | 皮膚に近い工程。速度より手元の安定と視界を優先する |
| フレンチダイヤバー | 爪先の取り外し、甘皮際の削り | △ | 接触範囲が狭い。当てる時間を短く区切る |
| ラージバレルダイヤバー | ケアやスカルプの整形・リペア、厚さ調節、スマイルラインの削り出し | × | 整形用。オフだけが目的なら使わない |
| キャップサンダー | フットケア(足裏・かかとの角質処理) | × | 対応可否は機種ごとに要確認 |
甘皮まわりは、速度より距離の問題
甘皮まわりの工程では、削る量より皮膚との距離が問題になります。URAWAのNF01プッシャーが公式でMAX 10,000rpmと表示されているとおり、そもそも高回転域を使う工程ではありません。プチトルは公式のジェルオフ手順でも「マシンでジェルを削る際には、自爪を傷つけないようご注意ください。様子を見ながら少しずつ削ることをおすすめします」としています。
ジェルオフはマシンだけで完結しない
プチトルの公式手順は、マシンでオフを終わらせません。「まず、マシンを使って爪表面のジェルを削ります。その後、リムーバーを含ませたコットンを爪に置き、揮発しないようアルミホイルを巻きます。ジェルが浮き上がるのを待ち、除去して終了です」。マシンの役割は表面を削って溶剤を入りやすくするところまでで、公式は「オフの際は、ジェル表面のみを削るようにし、くれぐれもナチュラルネイルを傷つけないよう注意して行ってください」と書いています。回転数を上げて削り切ろうとする動機は、この手順の中には存在しません。
ビットを動かす向きも決まっている
プチトルは公式サポートで、マシンを動かす向きまで指定しています。「爪が生えている方から爪先に向かってマシンを動かします。ビットの回転方向は、マシンを動かす方向と同じになるようにしてください」。正逆回転の切り替えは、左右どちらの手を施術するときも、この向きを揃えるためにあります。回転方向は設定項目ではなく、動かす向きに従属する項目です。
回転域と操作系で5機種を並べる
低速側にどこまで落とせるか、という観点で5機種を公式仕様で並べます。順位ではなく、回転域と操作部の位置の違いで並べています。
| 商品 | 形状 | 最大回転数 | 正逆回転 | 電源方式 | ビット規格 | 価格帯 | 購入 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| USB一体型 | 最大16,500rpm | 正逆回転: あり | USB | 軸径2.34mm | 楽天参考 8,680円前後 | Amazon楽天 | |
| USB一体型 | 最大20,500rpm | 正逆回転: あり | USB | 軸径2.34mm | 楽天参考 9,275円前後 | Amazon楽天 | |
| 卓上セパレート | 最大20,000rpm | 正逆回転: あり | AC/充電式 | 軸径2.34mm | 楽天参考 55,000円前後 | Amazon楽天 | |
プチトルV | 卓上セパレート | 最大30,000rpm | 正逆回転: あり | 充電式 | 軸径2.34mm | 26,800円(税込・在庫切れ) | Amazon楽天 |
SHINYGEL Professional ポータブルネイルマシンD2 | 卓上セパレート | 最大35,000rpm | 正逆回転: あり | AC/充電式 | 軸径2.34mm | 公式は価格非公開 | Amazon楽天 |
列見出しをタップすると並べ替えできます。形状・回転数・電源方式・ビット規格は各メーカーの公式仕様にもとづく編集部整理です。効果や仕上がりの保証ではありません。購入前に必ず公式仕様・取扱説明書をご確認ください。価格は変動します。
プチトルM(4,500〜16,500rpm・無段階・66g・8,680円 内税)は、USB一体型のなかで下限が低く、無段階で刻めます。冷却ファンは非搭載なので、連続運転の制限と合わせて使うことになります。プチトルL(6,000〜20,500rpm・80g・9,670円 内税)は自動冷却ファンと精密防塵機構を搭載しており、公式はセルフ上級者向けと案内しています。下限は6,000rpmで、Mより1,500rpm高い点は見落としがちです。
低速側をさらに使いたいなら、卓上セパレート型が候補に入ります。URAWA G3は2,000〜20,000rpm、プチトルVは3,000〜30,000rpmを30段階、SHINYGEL ポータブルネイルマシンD2は0〜35,000rpmです。いずれもコントローラーを机に置く構成になり、価格帯も上がります。下限を2,000rpm付近まで求めるかどうかが、形状を分ける実質的な判断になります。
メーカーが「やめてほしい」と書いていること
回転数の目安を探す前に、公式が明示している操作上の注意を見ておく価値があります。プチトルのサポートページに並んでいる記載を、可否の形にまとめました。
| 操作 | 可否 | 公式の記載(プチトル) |
|---|---|---|
| 20分を超えて連続運転する | × | 「マシンは20分以上連続運転しますと本体が熱くなる恐れがございます」「長時間のご使用は避けてください」 |
| 同じ箇所を削り続ける | × | 「ビットの回転が速ければ速いほど、摩擦熱が発生して痛みを伴います。同じ箇所をずっと削らず、一定方向に動かしながら使用してください」 |
| 往復させながら削る | × | 「往復動作は皮膚を傷付けてしまう原因となります」 |
| 自爪まで削り込む | × | 「オフの際は、ジェル表面のみを削るようにし、くれぐれもナチュラルネイルを傷つけないよう注意して行ってください」 |
| 熱を感じたまま同じ場所を続ける | × | サンディングバンドの説明に「熱を感じる場合は、同じ場所を削り続けることは避けてください」 |
| 一定方向に動かしながら削る | ○ | 上記注意の裏返し。向きは「爪が生えている方から爪先に向かって」 |
| ビットの回転方向を進行方向に合わせる | ○ | 「ビットの回転方向は、マシンを動かす方向と同じになるようにしてください」 |
| 目詰まりしたビットを掃除する | ○ | 「ウッドスティックや爪楊枝などで取り除いてください」。ジルコニア(セラミック)ビットは水洗い可 |
| 本体を分解して内部を掃除する | × | 公式は分解・修理・改造を行わないよう求めている(分解すると再組み立てができず保証対象外) |
この9項目のうち、回転数の話は1つもありません。回転数を落としても、同じ場所に長く当て続ければ摩擦熱は溜まります。逆に、当てる時間を短く区切って一定方向に動かせているなら、無理に低速へ落とす必要もありません。回転数は、この操作を成立させるための調整幅として使うものです。
設定でつまずくときの原因は、たいてい回転数ではない
削れない、削れすぎる、熱い。どれも回転数のせいに見えますが、公式の記載を追うと別の原因が浮かびます。
- 数字だけ他人と合わせ、ビットの径や目の粗さが違う(径が大きいほど外周の移動距離が長くなる)
- 削れないので押し当てる力を足す(プチトルTの公式注意は「アタッチメント部分を爪に強く押し当てると爪にダメージを与えることもありますので押し当てすぎにご注意ください」)
- 目詰まりしたビットのまま回転数を上げる(公式は目詰まりをウッドスティック等で取り除くよう案内)
- 下限7,500rpmの機種で「まず低速から」と言われて落とせない(プチトルCの下限は7,500rpm)
- マシンだけでオフを終わらせようとする(公式手順ではリムーバーとアルミホイルでジェルを浮かせる)
- 20分を超えて削り続ける(公式は本体が熱くなる恐れを挙げている)
負荷をかけて回転が落ちるなら、押す力を足すのではなく、いったんビットを離してください。どこまで粘るか(トルク)を数値で公表している製品は、当サイトが確認した10機種にひとつもなく、仕様から読み取る手段がありません。押し当てて回転を維持しようとする操作は、公式が注意している「押し当てすぎ」そのものです。
痛み・熱を感じたときの行動
爪や指の皮膚に熱さ・痛み・赤み・変色・炎症が出たときは、回転数を変えて作業を続けるのではなく、その場で電源を切ってください。ビットの状態(目詰まり・摩耗・曲がり)と装着を確認し、それでも症状が続く場合は、自己判断で対処せず、メーカーおよび皮膚科などの医療機関へ相談してください。
プチトルは公式に、分解・修理・改造を行わないこと、ビットが折れて抜けなくなった場合も分解せず連絡することを求めています。異常を感じたときに自分で開けないのは、保証を維持する条件でもあります。
よくある質問
甘皮の処理は何rpmが目安ですか
作業別のrpmは、当サイトが確認したURAWA・プチトル・SHINYGELのどの公式資料にも記載がありませんでした。数値で確認できるのはビット側の上限で、URAWAはNF01プッシャーの回転速度をMAX 10,000rpmと公式表示しています。皮膚に近い工程では、回転数を数値で合わせることより、当てる時間を短く区切り、一定方向に動かすことを優先してください。
初心者は何rpmから始めればいいですか
手持ちのマシンの下限から始めてください。下限は機種で大きく違い、公式表示ではプチトルCが7,500rpm、Mが4,500rpm、URAWA G3・G5が2,000rpm、SHINYGEL PNM-D2が0rpmです。他人のrpm設定をそのまま真似ても、本体とビットが違えば削れ方は揃いません。まず自分の機種の下限を仕様で確認するところからです。
回転数を上げれば早くオフできますか
プチトルの公式手順では、マシンの役割はジェルの表面を削るところまでで、その後はリムーバーを含ませたコットンとアルミホイルでジェルを浮かせます。マシンで削り切る前提ではないため、回転数を上げても工程全体が短くなるとは限りません。公式は「ビットの回転が速ければ速いほど、摩擦熱が発生して痛みを伴います」とも記載しています。
同じrpmなのに削れ方が違うのはなぜですか
ビットが違えば、同じ回転数でも刃先が動く速さが変わるためです。径の大きいビットほど、1回転あたりの外周の移動距離が長くなります。素材(カーバイド/ダイヤ/セラミック/サンディングバンド)と目の粗さによっても切削量は変わります。回転数を揃えることは、条件を揃えることではありません。
上限が高いマシンを買えば設定の幅は広がりますか
下限と段階数を合わせて見てください。プチトルFは8,000〜12,000rpmを約1,000rpm刻みの5段階、プチトルVは3,000〜30,000rpmを30段階と公式表示しています。上限だけを見るとVが2.5倍ですが、実際の調整幅を決めているのは下限の低さと刻みの細かさです。上限の数字は、その幅の片端でしかありません。
まとめ
作業別の回転数一覧は、メーカー公式には存在しません。代わりに公表されているのは、機種ごとの回転域(URAWAは2,000rpmから、プチトルCは7,500rpmから)、ビット側の許容回転数(URAWA NF01プッシャーはMAX 10,000rpm)、そして「同じ箇所を削り続けない」「20分以上の連続運転を避ける」といった操作上の注意です。使えるのはこの3つで、rpmの数値表ではありません。
回転数の目安を人から借りるより、自分のマシンの下限・段階数・ビットの対応軸径を紙に書き出すほうが、設定は早く決まります。ライト側でも同じ構図の誤解が起きています。UVライトとLEDライトの違いでは、W数が消費電力であって光の強さではないことを扱っています。大きい数字が性能を表すとは限らない、という点でこの2つは同じ話です。
関連: UVライトとLEDライトの違い
編集部が整理した候補
USB一体型のネイルマシン。4,500rpm〜16,500rpmで回転数を調整でき、USBに対応。ハンドピース重量は66g、ビット規格は軸径2.34mm。
参考価格: 楽天参考 8,680円前後
USB一体型のネイルマシン。6,000rpm〜20,500rpmで回転数を調整でき、USBに対応。ハンドピース重量は80g、ビット規格は軸径2.34mm。
参考価格: 楽天参考 9,275円前後
価格は変動します。リンク先で最新価格・在庫をご確認ください。順序は編集部が公式表示をもとに整理した目安です。

